リピーターの重要性を誰よりも知っているのが老舗旅館。そこで老舗旅館におもてなしの精神を学び、カスタマーサクセスに活かしましょう。
老舗旅館の体験
どこか旅行に行く時に旅館での体験は旅行客の楽しみの一つです。ですので、ほとんどの旅行客は毎回違う旅館に泊まってみたいと思うこともあるでしょう。そんな中で「老舗旅館」は、熱狂的なリピーターを獲得することによって他の旅館との競争を勝ち抜いているのです。老舗旅館の行動やふるまいは、必ず私たちのカスタマーサクセスに参考になることがあるはずです。今回は私の実体験を元に、優れたおもてなしの心について考察します。
相手のことを思いやる気持ち
旅館においてまた来たくなるほどの "感動" を与えるには、通常のホテルがやっているようなサービスだけでは不完全です。"顧客の予想を超えた体験" をいくつ経験させるかが重要になります。そこに必要なのは、自分たちの苦労よりも顧客の喜びを大切にする精神なのです。
優れた旅館は、車でお越しのお客様に対し、外に出て歓迎します。長く車に揺られたことをねぎらい、これからの癒しの期待を高めさせてくれます。部屋まで丁寧に案内をし、その間にお客様の趣味や好みを "さり気なく" 聞き出します。部屋に入ると真心込めた手書きのメッセージの案内があります。部屋が整理整頓されていて、旅館ならではの匂いや雰囲気を存分に味あわせてくれます。そして、お風呂に入るまでの廊下は幻想的で、期待が高まります。温泉は快適な広さで人が多すぎず、静かなひと時を味わうことができます。さらに、お風呂から戻ってくるとすでに料理の準備ができていました。それぞれの料理の食材や思いなどを語ってもらった後の味はとてもすばらしいものです。こんな一流のおもてなしを存分に感じると、とても心地よい気分になれることでしょう。
特別な気分を味わうために、リピーターはまた旅館に来るようになるのです。新しいものを見学に行くとか、SNSで自慢をするために旅行に行くものでもありません。この旅館に行けばまたあの素晴らしい体験ができる、そうした信頼によってリピーターが生まれるのです。
こうした旅館では、当然リピーターを大切にします。再び訪れていただいたときには名前や前回の料理などを把握しているところもあります。"覚えておいてくれたんだ"という特別感は顧客にとって何よりも嬉しいことです。
おもてなしに共通するもの
すばらしい旅館において共通するのは、相手のことを先回りして考え動き、予想を覆すような"サポート"をするということが言えます。お客様が自らこれがしたいのでこうしてほしいという状態になってしまったら、もう手遅れなのです。それはできて当然、できなければマイナスになる要素であり、プラスに働くことはありません。
先回りの行動でより手が込んでいればいるほど、相手はおもてなしを感じることができ、愛され続けるサポートが実現できるのです。
日本ほど老舗旅館がある国は少ないと言われています。カスタマーサポートとして、老舗旅館から愛される秘訣を学び、愛され続けるサービスを実現しましょう。