起業時はもちろん、新サービスをリリースする時など、お客様と繋がる窓口として、誰もが「電話窓口」はどうしようかと考えるもの。本記事では、そんな時に知っておきたい電話窓口の開設方法や選択肢について書きました。
そもそも電話窓口の必要性って?
企業が「電話窓口」を設ける意味合いには、その企業への信頼感を生み出すという意味合いの他に、収益を生み出すといった意味合いもあるでしょう。
03番号、0120番号など電話番号の違いはあれど、企業が電話窓口を開設することは、何かあったら問い合わせできるという安心感をお客様に与えることになります。メールやチャットなどお客様と繋がる窓口は他にもありますが、老若男女が使えるツールはやはり「電話」ではないでしょうか。携帯電話の普及率が100%を超えた今だからこそ、電話窓口を設けるということは、お客様全員との接点を作るということに他なりません。
また、電話でお客様と生の声をやりとりしながら親切にサポートすることは、より高い満足感をお客様へ与えます。それによって、自然と良い口コミが生まれ、お客様が新しいお客様を連れてきてくれることもあるかもしれません。
Zendeskの調査*1でも明らかになっているように、「電話」というチャネルでサポートすることによってお客様は91%という非常に高い満足度を得ています。
では、実際に電話窓口を開設するにあたり、どういった方法や選択肢があるのでしょうか?以下に、大きく3つの選択肢をまとめました。
①一般電話機(家庭用電話機)を活用
◼︎概要
一般電話機とは、1台につき電話番号1つで使用するタイプの電話機です。一般的には、家電量販店などで親機と子機のセットで販売されている場合が多いです。
◼︎料金
- 初期費用:36,800円 ※NTTに依頼した場合*2
- 月額費用:1,700〜4,000円程度
- 通話費用:約2.83円/分〜
◼︎導入スピード
- 1週間〜1ヶ月程度(業者と工事日などを決定する必要があります)
◼︎一般電話機をオフィスで利用する際の課題
- 内線通話ができない。
- 電話機から離れた席にいた場合、わざわざそこまで電話を取りにいかなくてはならない。
- 該当の電話番号が話し中だと電話に出られない。
②ビジネスフォンを活用
◼︎概要
ビジネスフォンとは、主装置と複数の専用電話機から構成されるため、同時に複数の着信があっても、どの電話機でも受け答えが可能となります。また、保留・転送、内線通話ができます。ビジネスフォンというと、電話機単体を指すと思いがちですが、複数の回線を制御するための主装置もセットと覚えておくと良いでしょう。
◼︎料金
ビジネスフォンの導入には、大きくいうと、「電話機購入代」「主装置代」「ユニット代」「工事代」の4つの費用が発生します。 電話機を購入するにも、新品を買うか、中古を買うかによって金額が大きく変動し、工事代も業者によってまちまちです。 あるサイト*3で、新品3台のビジネスフォンを導入するシュミレーションをしたところ、合計で20万円以上の金額が算出されました。業者によっても異なると思いますが、数十万円は導入にかかると考えておいたほうが良さそうです。
◼︎導入スピード
- 1ヶ月程度(機器の購入や工事日の調整、工事実施などを考えると、少なくともこのくらいはかかるかと思われます。)
◼︎ビジネスフォンを利用する際の課題
- 高額な導入コストや移設の度にかかる工事代がネック。
- 導入までに時間がかかる。
- 見積もりを取ったり、契約までの手続きが面倒。
③ブラウザフォンを活用
◼︎概要
ブラウザでリアルタイムなコミュニケーションを可能にするWebRTCという技術の登場により、ChromeやFirefoxといったウェブブラウザで電話の受発信が行えるようなサービスも提供されています。PCと電話が統合しているので、着信時にPC画面上に顧客情報をポップアップ表示させるなどより良い電話サポートを実現するには適したサービスといえるでしょう。ちなみに、CallConnectはこの部類に含まれます。
◼︎料金
月々1,800円〜数十万円(PCと統合されることで従来の電話機ではできなかったことができるようになるので、価格は様々です)
◼︎導入スピード
- 1日〜数ヶ月程度(即日利用可能なものから独自にシステム構築が必要なものまでサービスによって大きな差があります)
◼︎ブラウザフォンを利用する際の課題
- 受話器を上げて話すのではなくPCにヘッドセットなどを接続して通話するため、慣れが必要。
- 導入に高額な費用がかかる場合がある。
- 導入までに時間がかかる場合がある。
電話窓口を開設する際に気をつけたいこと
電話窓口を開設すると一口にいっても、一般電話機を活用するか、ビジネスフォンを活用するか、ブラウザフォンを活用するかの3つの選択肢があります。もちろん、導入コストやランニングコストなどを考慮して決定していく必要があります。
しかし、ここで忘れてはいけないのが、「電話窓口を開設した後に、より良い電話サポートを提供していけるかどうか」という点です。
仮に、一般電話機を活用して電話対応をしている場合、自分の席から離れたところに電話があって、電話に出るまでに時間がかかり、お客様を待たせてしまったとか、内線で電話をスムーズに取り次げないため毎回折り返し対応になってしまうといったことが起こる可能性があります。
これでは、せっかく電話窓口を開設して、お客様との接点を作っているにもかかわらず、最適なカスタマーサポートとは程遠く、たんに電話番号を取得して電話機があるという意味合いしか果たせていません。コストをかけて電話窓口を開設するのであれば、そのコスト以上のリターンを電話サポートから生み出すことを考える必要があるのではないでしょうか。
電話というお互いの感情をやりとりしやすいチャネルを活用するからこそ、顧客により高い満足感を与えることもできます。むしろ、手厚いサポートが実現できれば、お客様が新しいお客様を連れてきてくれて収益につながったり、サービスに対してのフィードバックを得やすい環境を作ることだってできるでしょう。そうなれば、導入にかかる費用はコストというより、投資といえるのではないでしょうか。
終わりに
今回は、電話窓口を開設する際の3つの方法/選択肢について書きました。正直、電話窓口を開設するにあたっては、見積もりを取ったり、利用開始までに時間がかかる場合が多く、面倒です。そのため、実際に支払う金銭による比較も大事ですが、開設までに費やす時間がどれだけ短く済むかという点も大事にする必要がありそうです。
皆さんなら、どれを活用して電話窓口を開設しますか?