マーケティングのためにSNSアカウントを作る。オウンドメディアを構築する。とはよくある話ですが、それらをサポートとして活用し、成功した事例をご紹介します。
マーケティングとしての Twitter
Twitter マーケティングで最も成功しているアカウントの一つは、SHARP のアカウントでしょう。大企業の公式とは思えないゆるいキャラクターで人気を博しています。より人間らしいアカウントが好まれ、同じように Twitter アカウントを運用する企業が増えています。
これは確かに企業のブランドとしていい印象を与えます。しかし、SNSにおいて最も重要なことの一つに、サポート対応することも挙げられます。サポートとしてのTwitterをしっかり運用できている企業は、良い情報をTwitterで発信するTwitterアカウントと同じ、もしくはそれ以上の効果があります。
サポートとしての Twitter の事例
サポートとしての SNS アカウント運用の最も良い例は Slack でしょう。 Slack はアメリカで生まれたサービスで、日本語には対応していませんが、全世界で利用されているチャットサービスにまで成長しています。ここまで成長したのは、会社の持つ技術力はもちろんのこと、顧客の声に耳を傾ける努力を他社よりもしっかりとやっていることが挙げられます。
Slack は現在18万フォロワーを抱えるアカウントです。そこで受けた全てのツイートに目を通し、それらを参考にしてプロダクトを洗練させていったというヒストリーが語られています。
サポートを通して、Slack は ユーザーが "使い続けてくれる"、"より上のプラン、サービスを購入してくれる"、"新規顧客を呼んできてくれる"という効果を得ています。例えば以下のツイートをご覧ください。全ての人のメンションに対し、丁寧に応えようとしている姿が見られます。さすがにSlackとなると途方もない量のメンションが届きますが、それでも返そうとするSlackの努力には大変感心します。
We ❤️ Tweetin', but best paths to detailed support are https://t.co/SHdqBAJmd6 & feedback@slack.com. Changelog here: https://t.co/bgMeywLL8K
— Slack (@SlackHQ) April 30, 2014
彼らは Twitter をマーケティングとしても使うし、それ以上にカスタマーサポートとして大きく活用しているのです。
Slack を使ってみれば、その洗練された機能に感動します。とりあえず画像をドラッグすればなんとかしてくれるだろうという安心感、"/"を押すと出てくるあらゆる便利ツール、高速な検索やアップロードしたファイルの適切な表示などです。顧客の声を聞き続けて改善していった結果だと言えます。
たくさんの人に新しく使ってもらうより、今いる人に使い続けてもらう
カスタマーのロイヤリティという言葉が一般的になりました。一つのブランドを気に入ると、それを使い続けてくれる。他人に紹介してくれる。そうしたロイヤルカスタマーの獲得に熱心に努力することで、新規顧客獲得のマーケティングをしなくとも顧客は増えていくのです。
確かにこれは短期的な成果をあげるには難しい方法です。しかしながら、マーケティング経由で獲得した新規ユーザーより、カスタマーサポートによって継続してくれた、新規登録してくれたユーザーの方がサービスをよく知り、愛してくれるユーザーが多い傾向があります。
もちろんSlackは、Twitterだけでなく、あらゆるチャネルでカスタマーサポートを行っています。チャネル(メールやSNS、電話など)によって差をつけず、あらゆるチャネルから顧客の声を聞こうとする努力は怠ってはなりません。顧客は苦情ではなく、今後のサービスの重要なヒントを与えてくれるのです。
電話窓口を設けない、週末のメールサポートはしない。メールを返すのに1日以上かかる。そうした対応の悪さはすぐに顧客に伝わります。カスタマーサポートはサービスの全体的な知識のある優秀な人が担当すればより満足されるサービス運営ができることでしょう。
カスタマーサポートによってマーケティングができる。そのような考え方が今後より一般的となっていくことでしょう。