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CS HACK #02 1人CSは大変?新規事業立ち上げ時のサポートをHACK! vol.1

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世の中にサービスがあれば、その数だけカスタマサポートも存在します。

新規事業の立ち上げ時には、サービスの成長が優先されることもあり、サポートの担当者は1人、もしくは他の業務と兼務ということも少なくありません。

しかしながらリソースが限られているからといって、対応が悪ければレビューやSNSでの低評価につながるため、ないがしろにすることもできません。

今回はそんな過酷な状況を乗り越えた5人のCS担当者のお話が聞けるということで、コードキャンプ株式会社までやって参りました。

CS HACK #02 ”新規事業/立ち上げ期のCSをHACKする!
司会はコードキャンプのCS担当藤本さんです。

cshack.connpass.com

f:id:sennba3:20170330124803j:plain 写真は発表順をクジで選ぶ様子。

倒れる前に動く!

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トップバッターは株式会社トレタのCS担当、関根さん。
iPad上の台帳で予約や顧客を管理できるサービスを飲食店向けに提供しています。

関根さんは、トレタに最初のCS担当として入社されたそうです。
発表テーマは「2年弱でアカウント約4倍 成長期のCSを立ち上げてみた」

関根響/[株式会社トレタ](https://toreta.in/jp/greeting) カスタマーサクセスグループマネージャー
大手オークションサイトやモバイルコンテンツ、ECサイトなど複数サービスのサポート、システムインテグレーターでのPM,営業経験などを経て2015年トレタ入社。トレタのサポート体制立ち上げを行う。


入社時の課題

入社当初の状況は社員が30名程度で、サービスのナレッジは各メンバーの中にあって、全社に共有されている状況ではありませんでした。 f:id:sennba3:20170329120200j:plain

トレタは当時から24時間365日対応を実施していました。
飲食店向けということもあり、電話の対応が多いようです。顧客情報を確認する前に、お客様に解決策の提示を急かされることがありました。 また、問い合わせの内容も
・導入検討
・契約・料金
・操作
・不具合
・要望
・クレーム
と多岐に渡ります。

また、外部のパートナーにもサポートの委託をしていたのですが、サービスのレクチャーやナレッジが共有できていなかったために、エスカレーションが多発していたそうです。
このままではサポート業務がどんどん大変になっていき、関根さん一人だと倒れてしまいます。

根本から変えるために

そこで関根さんが取り組んだのは、大きく2つです。

その1 「パートナーへのレクチャー」

サポート窓口を委託しているが、対応者にレクチャーもしてなければ会ったこともない。
分からないという理由で全てエスカレーションしてきたら、大変なことになります。

関根さんは他の企業とのコミュニケーションを重視しました。パートナー向けに勉強会を開き、サービスの価値を伝えていきました。

パートナーをスキルアップさせることで、お客様にとって迅速な課題解決を提供できるようにしました。トレタでは課題解決までの時間をKPIにしています。

その2 「問い合わせ数を減らす施策」

「こういう問い合わせがくるのは何でだっけ?」という視点を持ち、UIも改善していきました。 また、サービスのバージョンも変わり続けるため、変更部分に特化したお知らせを出すようにしました。 その内容をメルマガやWEBサイトのお知らせにいれることで、バージョン変更に伴う問い合わせも減らすことができました。

1次対応で90%くらいを解決

上記の2つの施策によって、1次対応で90%くらいが解決できるようになりました。(現在でも80%をキープ)

問い合わせがくる前に言おう!

バージョンが変わる際にトレタではアプリが落ちたかどうかモニタリングできるようになっています。これによって、クラッシュする前にメールや電話で店舗へ連絡を入れることができるようになっているとのことです。

クラッシュしている時に「こういう時にアプリ落ちてますよね?」と言うと普通は怒るかと思うが、「こういう時にこうすると落ちるのでこうやって使ってください!」と言うと感謝されることもあるそうです。

一人で業務をこなすのは大変なので、効率化を考えていくのが重要とのことです。 現在は安定してサポートが行えるようになったとのこと。

LINEでの顧客対応という地獄

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続いては、ラブグラフの中井さん。 ラブグラフと言えば、カップルや家族のお出かけに同行し、写真撮影するサービスで若い方に人気です。
発表テーマは「ラブグラフ社のCSの歴史」

中井 健太/[株式会社ラブグラフ](https://corporate.lovegraph.me/) 取締役COO
楽天グループでマーケティングプランニングからクリエイティブのディレクションまでの川上から川下までの広い範囲の業務を経験。その後、2016年2月に株式会社ラブグラフに参画。取締役COOとして経営戦略、法人アライアンス、マーケティング、広報PR、法務など主にビジネスサイドを重点的に担当。


地獄1 「依頼50件をすべてLINEで対応」

ラブグラフの創業者はカメラマンです。
お客さんからの依頼は、当時スマートフォンアプリのLINEで受け付けていたそうです。依頼があったら、登録カメラマンに「対応できる人いる?」とLINEで確認していました。また、お客さんとのスケジュール調整もLINEで毎月50件ほど一人で行っていたようです。
聞くだけでも地獄のようですね。

地獄2 「担当者がいなくなる」

エンジニアとデザイナーの3人になり、お問い合わせの数も増加してきました。
エンジニアが簡単なシステムを作り上げ、LINEで返信するということはなくなりました。
しかしながら、当時は返せるもののみ返すというスタイルだったそうです。 これではいけないと思い、コンバージョン前の離脱を防ぐためにもしっかりと対応することが重要だと中井さんが周囲を説得したそうです。
結果、CS専任担当としてインターン生を採用することになりました。
ところが、そのインターン生がCSにやりがいを見い出せず、いなくなってしまうという事件が起こってしまったそうです。

地獄3 「曜日分けの抜け漏れ地獄」

地獄2のようなこともあり、1人体制は良くないのでは?ということになりました。そこで曜日で担当を変えるようにしました。
その時期にはメール管理システムのZendeskを導入していたのですが、状況が共有されていないため、対応の抜け漏れが発生してしまったそうです。

また、その他にカメラ教室もやっていて、キャンセルなどで返金してくださいという連絡が入ることもありました。しかし、Zendeskの情報とお客さんの講座情報が紐づいていないために、顧客を特定することが難しかったそうです。

サービスに反映できる体制を構築

現在はCSの専任担当は設けず、カメラマンとエンジニアがサポートを担当しています。
カメラマンに対する要望が入れば、それを撮影時のサービス改善にすぐ活かすようにしています。 システムエラーなどの連絡が入れば、その場でエンジニアがシステムを修正するなど、すぐにサービスに反映できる体制を作っているとのことでした。

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兼務地獄の中、1人で毎月500件対応

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3人目は、スマービーの武末さん。 発表テーマは「『兼務地獄』の中、月500件のCS対応を1人でこなした話」

武末 健二朗/[株式会社スマービー ](https://smarby.jp/company/) オペレーション本部 本部長
2009年に戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトルにて経営コンサルタントとして勤務後、2013年にリブセンスにて求人紹介サービス『転職ナコウド』の事業責任者を担当。2014年にブランド子供服の通販アプリを運営するスマービーに入社。CS・物流等複数の事業部を統括。


スマービーは、ブランド子供服&雑貨のセール通販アプリ。現在、会員を28万人以上抱える、ママに人気のアプリです。

元々コンサルティング会社やスタートアップで事業責任者をしていた武末さんは、創業メンバーとしてスマービーに加わりました。
しかしながら、CSの経験があるわけでなく、物流、マーチャンダイジング、バックオフィスなどと並行してCS対応を1人でこなしていたそうです。
スタートアップによくある苦労として、下記のような課題があげられるようです。

「兼務地獄」
・サービスの成長とともに急増するCSへの対応
・CS対応以上にサービス成長に時間を割く必要性

「限られた開発リソース」
・創業期にCSの開発リソースを割けない
・自分で自動化の仕組みを構築しないといけない

「レビューへの意識(特にアプリの場合)」
・CSが良くないとレビューが荒れる
・レビューが荒れると、アプリでは大きな影響をうけるので、ないがしろにできない。

スマービーの場合は、仕入先などとのやりとりが加わり、下記のような状態でした。 f:id:sennba3:20170329145517j:plain

そのため、CSは合間というより、別の業務をこなしながら行っていました。
さらに、その当時妻も妊娠し、仕事も家庭も大変な状況に。 f:id:sennba3:20170329150120j:plain

まさに地獄ですが(笑)、武末さんはこの兼務地獄をどうこなしていったのでしょうか。

最も刺さるKPIに絞れ

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1にあるように、ユーザーに最も刺さる1つのKPI(返信速度)のみに絞って対応していたそうです。
リソースが限られた中、複数のKPIを追い求めるのは現実的ではありません。

また、初めからチャネルを増やすのではなく、できることに絞りました。過剰品質は対応できなければユーザーを裏切ることになります。

そして、最も多い問い合わせには自動対応できるようにしました。
まず、配信停止フォームの内容をGoogle Apps Script(スクリプト)で武末さん自身が書きました。 そこから先のSlackとhubotをつないでユーザーのDBに配信停止の司令を送る部分はエンジニアにお願いしました。 これによって、開発のリソースを最小限にとどめた上で効率化することができました。

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エンジニアも、努力して何とかしようとしている人には教えてくれるようです。

その他もエンジニアでないにも関わらず、色々と仕組みを作りました。 f:id:sennba3:20170329153935j:plain

その結果、兼務地獄の中、1人で月500件のお問い合わせに対応し、
・CS対応についてのネガティブレビュー 0
・App store/Google playにてベビー服/子供服 No.1
を獲得しました。

こんな地獄のような創業期を過ごしたスマービさんですが、 現在では(8割以上がパパ・ママスタッフ)17時にはほとんどのスタッフが退社できるようになったそうです。

vol.2では、ビザスク 田鍋さんと さくらインターネット 西村さんの発表の模様をお届けします。

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