青森県は、5番目に拠点数が多いコールセンター集積地と言われています。 本記事では、コールセンター移転を後押しする青森県の「コンタクトセンター関連産業立地促進費補助金」についてご紹介します。
青森県におけるコールセンター誘致への積極性
コールセンター白書2015によれば、2015年7月時点で青森県には31の拠点があり、内8拠点が青森市にあるとのことです。 多くの企業が青森県内に拠点を構えているわけですが、こうした背景には県としてのコールセンターへの理解度の高さがあるからではないでしょうか。この後ご紹介する「コンタクトセンター関連産業立地促進費補助金」だけに留まらず、青森県では積極的にコールセンター誘致策を講じています。例えば、新卒やU・Iターン希望者を対象としたコンタクトセンター就業体験セミナーを開催したり、実際に青森県内のコンタクトセンター*1で働く人をインタビューし、それらの情報を「コールセンターガイドブック」*2としてまとめ、積極的に情報発信を行っています。こうした県としてのコールセンター誘致への積極性が、多くの拠点誘致に成功している要因と考えられるでしょう。
では、そんな青森県は具体的にどのような立地促進制度を設けているのでしょうか?早速、「コンタクトセンター関連産業立地促進費補助金」*3について見ていきたいと思います。
コンタクトセンター関連産業立地促進費補助金とは?
コンタクトセンター関連産業立地促進費補助金は、コンタクトセンター関連企業に対して通信回線使用料・オフィス賃料・雇用に要する経費を最大3年間補助する制度です。
【対象・要件】
- 県の誘致企業であること
- コンタクトセンター関連企業であること
- 操業開始時点において、当該事業所の県内から雇用する従業員等が5人以上の企業であること
【助成内容】
- 通信回線使用料の2分の1(限度額:3000万円/年×3年間)
- オフィス賃借料の4分の1(限度額:700万円/年×3年間)
- 地元従業員の雇用に要する経費(限度額:3年間で1億円まで)
※立地市町村が雇用に対する同様の補助を行う場合、市町村が1人につき助成する額と同額を補助。(県内からの新規常用雇用者1人につき30万円が上限)
【助成イメージ】
コンタクトセンターを青森県内に設立。通信回線使用料が年間で1200万円(100万円/月×12ヶ月)。オフィス賃借料は、年間600万円(50万円/月×12ヶ月)。 そして、5人(青森県民)を正社員雇用する。
- 通信回線使用料補助:600万円(1200万円×1/2)
- オフィス等賃料補助:150万円(600万円×1/4)
- 雇用補助:150万円(30万円×5人)
- 合計 900万円
【連絡先】
青森県産業立地推進課 TEL:017-734-9381
おわりに
今回は、青森県の「コンタクトセンター関連産業立地促進費補助金」についてご紹介しました。通信回線使用料を2分の1も補助してくれるとあって、拠点開設を検討している企業にとっては大きな魅力として映るのではないでしょうか。
また、本メディアでも度々地方自治体の補助金制度をご紹介していますが、誘致が比較的うまくいっている自治体は単に補助金制度を設けているだけでなく、周辺のサポート体制も整えており、コールセンター誘致への理解度の高さが伺えます。実際に青森県では産業立地推進課が青森県産業立地ガイドという特設サイトを開設しています。拠点開設に必要なことをワンストップでサポートしてくれるかどうかが誘致成功の鍵となりそうです。
引き続き各自治体の誘致施策をチェックし、コールセンター開設、コンタクトセンター移設に役立つ情報を発信していきたいと思います。
※2016年9月24日時点の情報に基づき作成しました。
*1:コンタクトセンターとは、電話だけではなく、メールやチャットなど複数チャネルでの問い合わせ対応を行う事業所・部門
*2:http://www.pref.aomori.lg.jp/sangyo/shoko/korusentagaido.html