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問い合わせ対応を減らすための2つの工夫

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企業によっては顧客から日々多くの問い合わせが寄せられ、業務時間の大半を占められてしまっている場合もあるでしょう。本記事では、そういった問い合わせ対応に割かれる時間を極力減らすために考えたい2つのことについて書きました。

顧客からの問い合わせが多いことを良しとしない

顧客からの問い合わせが多いということは、少なくともそれだけの人に興味関心を持ってもらっているということでしょう。新サービスをリリースして、誰にも認知されず、興味も抱かれず、まったく顧客からの問い合わせがこないよりは良い状態なのかもしれません。実際、顧客と接点を持てることは非常に嬉しいことです。

しかし、顧客からの問い合わせが多いことを良しとしてはいけません。 なぜなら、顧客が問い合わせをしてくるということは、提供している製品/サービス自体がわかりにくく、顧客自身では解決できない何かしらの問題が発生しているということの表れだからです。 Webサイトを見たり、実際に製品を手にとることで利用方法が容易に理解できるのであれば、利用方法に関して顧客から問い合わせがくることはないでしょう。 また、少し疑問を抱いたとしても、その答えがウェブサイトのわかりやすい場所に表示されていれば、わざわざ問い合わせをしていくることもないでしょう。

顧客が企業に問い合わせをする必要もないほど、わかりやすく、使いやすい製品/サービスを提供するのが理想です。 もちろん、現実的にこういった製品/サービスを提供するのは非常に困難です。 しかし、そのための企業努力を欠かしてはいけないのです。

カスタマーサポート担当者は、どういった取り組みが顧客のサービスに対する理解度をより深めるのかということを日々考えていかなければなりません。

では、問い合わせ対応を減らすには具体的にどういった視点が大切なのでしょうか。

問い合わせ対応を減らすための2つの工夫

ここでは、問い合わせ対応を減らすために必要な2つの視点、工夫についてご紹介します。

1. UI(ユーザインタフェース)を洗練させる

問い合わせ対応を減らすためには、まず根本となるわかりにくさや疑問を抱くポイントをサービスから排除する必要があります。 いくら企業側がわかりやすいサービスだと自信を持っていても、実際に利用する顧客の能力によっては理解されない場合もあります。そのため、日々顧客から寄せられる問い合わせ内容をしっかりと分析し、顧客はどこにわかりづらさを感じているのかということを明確にしていかなければなりません。そして、CS部門が開発部門とうまく連携し、スムーズにサービスを改善していくことができれば、よりわかりやすいサービスが実現できます。

まずは、自社のCS部門から開発部門へスムーズに情報共有ができる体制が整っているかを確認してみるといいでしょう。 こうした体制がなければ、そもそもUIを洗練させていくということ自体が困難で、いつまで経っても問い合わせ対応が減らないということになってしまいます。 また、専門用語などは用いず、顧客のわかりやすい言葉遣いをすることも重要だといえます。

そして、最後に気をつけなければいけない点を一つあげるとすれば、サービスを利用する顧客像を明確にしておく必要があるということです。これはマーケティング的にも非常に重要なのは言うまでもありませんが、カスタマーサポートやUI改善においても非常に重要です。ぼんやりとした顧客像では、どういったITリテラシーや能力レベルを持つ顧客に合わせてデザインを設計すればいいのかがわかりません。

2. FAQを洗練させる

サービスやデザインを洗練させていっても、顧客によってはサービスについてしっかりと理解できない場合もあるでしょう。 そういった場合に備えて、答えを用意しておかなければなりません。

FAQを設けていないサービスは少ないでしょうが、そのFAQが現状のサービスに即したものではない場合が多く見受けられます。 こうした事態は、CS担当者が容易にFAQを更新できるような体制になっていないことやFAQ更新を担当する部署とのコミュニケーションが希薄であることによって引き起こされていると考えられます。

新機能を出したタイミングやキャンペーンを開始したタイミングでは、多くの問い合わせがくることが想定されます。 それにもかかわらず、FAQを更新せずにいれば、問い合わせ対応が減らないことは目に見えています。

問い合わせ対応を減らすためには、顧客が抱える課題の解決策をわかりやすい場所に表示したり、手軽にアクセスできるようにしておかなければならないのです。 そして、その内容も現状のサービスに即したものに適宜変更していかなくてはなりません。

まとめ

カスタマーサポート担当者は、顧客からの問い合わせにスピーディかつ適切に対処する術を身につける必要があります。

しかし、それだけではなく、どうやったらそもそもの問い合わせを減らすことができるかという視点も持ち合わせていなければなりません。なぜなら、顧客が困らない、悩まないということが第一優先だからです。顧客が困ったときに親切な対応ができるのは当然のこととして、そもそも顧客が困らないためにはサービスをどのように改善していけばいいのかまでを考えられるカスタマーサポート担当者が今は求められているのではないでしょうか。

問い合わせへのより良い対応の仕方を学ぶとともに、問い合わせが来ないような取り組みについてもカスタマーサポート担当者の視点から考えてみるといいかもしれません。