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サポートの指標をお客様に公表してみよう

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安心できるサポートを提供するために、サポートの指標をお客様に公表するという方法があります。指標を公表するメリットや注意点などを解説します。

サポートの指標とは

まず改善のためには指標を計測しなければ何も始まりません。日頃のサポートで感覚的に良くなった・悪くなったというだけでは具体的にどこを改善していけば良いのかがわからなくなってしまうためです。様々な角度から指標を追うことで、例えばメールサポートの返答速度は上がったが、内容の質が簡素になったため、メールのやりとりが増えて結局時間がかかってしまった、といったことまで見えてきます。

サポートの現場では、まずは一次回答速度を上げることに注力する場合がほとんどです。困っているお客様に対し、まず安心してもらうためにはサポートと連絡が取れることが最重要です。お客様がメールを送ってもいつまでも返事がこなかったり、チャットがいつまでも既読にならなかったり、電話に出なかったり。このような対応ではお客様に安心感を与えることはできず、不信感を抱かせてしまう結果になりかねません。これを防ぐためにサポートの現場ではお客様が最初に問い合わせをしてきた時刻から、サポートが回答した時刻の間を計測することが多くあります。実際に計測しやすい指標でもあるため、有益な指標と言えるでしょう。

また、実際に対応した後にアンケートをとって評価していただくことも有効です。ユーザーにとって迷惑にならないようであれば、この方法も検討する余地はあります。最終的に最も大切なことは顧客がサポートに対して満足できたかどうかであるため、本質を突いた指標と言えます。

サポートの問い合わせ数を減らすことも大切ではありますが、問い合わせ数を指標として公表するのは適切ではありません。お客様がサポートの指標を知りたいのは「もし自分が問い合わせをした時にどのくらいの速度で返ってくるか、解決できるか、満足できるか」です。サポートを受けることになった時にどのような満足度を得られるかに興味を持っているのです。このような状況で"そもそも問い合わせるようなことが少ない"ということをアピールしても意味がないのです。

よって、一次回答までの時間や満足度をサポートの指標として対外的に公表することが多いのです。

これらの指標は、Zendesk や Intercom などのサポートツールを使っていればグラフによる可視化機能を提供しているので簡単に貼り付けられます。ツールを使っていなくても、メールや電話の時間をエクセルなどで時刻とともに管理していくことができます。

指標を公表するメリット

では、なぜサポートの指標をお客様に公表することがメリットとなるのでしょうか。

まず一つ目に、サポートを大切にしているということをお客様に意思表示できる点が挙げられます。実際にお客様がプロダクトを使いだしてからは、いかに使いやすくて、何か困った時に適切なサポートを受けられるかが大切になります。サポートを常に高いクオリティで提供しているのであれば、サポートの品質の高さを積極的にアピールしていくべきです。これがお客様を大切にしていることにつながりますし、新規で訪れた顧客にも有効にアピールすることができます。情報の透明化は、あらゆる関係者の信頼を獲得するための材料となるのです。

そして二つ目に、私たちサポート担当者も指標を意識せざるをえなくなるという点です。社内だけで管理しているようなサポートの指標ですと、うまくいかなかった場合でも "それは仕方なかった。次どうすればいいかを考えよう。" 程度で終わってしまいます。サポートの指標をお客様に掲示しているという意識を持つことで、日頃のサポートに対する責任感はより一層向上します。

サポートの存在意義

そもそもサポートは何のためにいるのでしょうか。ただ単にお客様の課題を解決するだけで良いのであれば、FAQ を検索してもらうのと何ら変わりません。それでも電話やメールで問い合わせが来るのは、顧客が課題を解決する以上に、サポートで安心を得るために利用しているのです。その中で "顧客が問い合わせてきた質問に回答する" ということはサポート担当者のすることの1つに過ぎません。

サポートの指標を公開するということは誰でも簡単にできます。本当にサポートに自信を持っているのであれば、顧客に安心して使ってもらうためにも指標を公表する価値はあります。

本記事では、顧客に安心してサービスを使い続けていただくための一つの方策を提案しました。本記事の指標の公表のように、ほんの少しの手間をかけるだけで顧客に与える印象は大きく変わります。誰も見ていないと思うようなところでも、実際は見ている人がいるものです。サポートの指標以外にもお客様を安心させられる情報であるならば積極的に開示し、強い信頼関係を生むサポートの実現に向けて工夫してみるのはいかがでしょうか。