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質の低いサービスを提供する領域をあえて決める

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素晴らしいカスタマーサービスを実現する上では、サービスすべての領域において“最高”を目指す必要があると思いがちです。本記事では、あえて質の低いサービスを提供する領域を決めることで、どういった効果が得られるかについての考察を書きました。

自社の顧客は何を求めているか

カスタマーサービスをより良くしたいと考えた時、私たちはどこに目を向けるでしょうか。多くの場合、競合他社がどのようにカスタマーサービス向上に取り組んでいるのかについて注意深く観察するのではないでしょうか。しかし、私たちが真っ先に目を向けるべきなのは、“競合他社”ではなく、“自社の顧客”に違いありません。 なぜなら、他社が実践するカスタマーサービスが本当に自社顧客の期待をも満たすものかどうかについては何の保証もないからです。また、他社の真似をしているばかりでは、競争優位性になるようなカスタマーサービスは提供できません。

本当に素晴らしいカスタマーサービスを提供するためには、まず自社の顧客は何に期待をしているのかということについて注意深く観察する必要があるでしょう。

すべての領域において、あえて“最高”を目指さない

“自社の顧客は何に期待をしているのか”ということを注意深く観察した結果、思いもしない答えが見つかることもあるでしょう。

例えば、美容室が行うサービスについてはどうでしょうか。 カットの技術(サービス)に対して顧客が高い期待値を持っていることはなんとなくわかります。しかし、それ以外の部分で顧客はどこに高い期待値を持っているのでしょうか。シャンプーのうまさ、カット中のコミュニケーション、金額、美容室内のインテリア(雰囲気)など様々あるでしょう。

仮に競合がこういったすべての部分に力を入れているからといって、あなたも同じ部分に力を入れようと安直に考えてはいけません。 まず現在の自社顧客はどういった生活スタイルを送っているのかについて整理してみます。そして、美容室としてどういった立ち位置を確立していきたいかについても改めて考えてみます。(一般企業でも同じと言えます。)

このように冷静に考えることによって、競合があまり力を入れていない、かつ顧客が実は重きを置いているポイントを発見することができるかもしれません。

例えばこういった考え方によって、“営業時間”というポイントを見つけたとします。どういうことかというと、平日に仕事をしている人にとっては、19時くらいで閉店してしまうのは非常に困ることです。土日に予約を取ろうと思っても、予約が集中するため希望の時間に予約が取れないこともあるでしょう。

そこで、従来の美容室の弱点である“営業時間”というポイントに対処するため、営業時間を伸ばす選択をしてみます。19時に閉店するのではなく、22時まで営業するようにしてみるのです。これによって、他社にはないサービスを提供できるようになるわけです。

ただある領域でのカスタマーサービスを高い水準にすると、結果コストがかかることにもなります。 そのため、上記の場合であれば、カット中のコミュニケーションなどについての水準は低くせざるを得ないかもしれません。なぜなら、サービス向上に割り当てられる資源はどこの企業も限られているからです。すべての領域を業界最高水準まで持っていくのは至難の技です。

重要なのは、顧客が重要視しているポイントでは最高水準のカスタマーサービスを提供し、顧客が軽んじているポイントでは最低水準のカスタマーサービスを提供しても構わないと覚悟を決めることです。

それによって、仮にカット中のコミュニケーションでは競合に勝ることができなくても、顧客が重要視している営業時間というポイントで他社に勝るカスタマーサービスが提供できるようになるかもしれないのです。

質の低い領域を作ることで得られるもの

企業がカスタマーサービス向上に割くことのできる資源は限られています。ですから、サービスすべての領域で業界最高水準を保つのは非常に困難です。しかし、私たちは顧客を満足させるカスタマーサービスを提供していかなければなりません。

そこで、あえて質の低いサービスを提供する領域を決めるのです。ただし、ターゲットとする顧客もその領域におけるサービスの質を軽んじているということが大切です。 ある領域を切り捨てることで得た余力は、顧客が重要視している領域に当て、業界でも最高水準のサービスを提供できるようにするのです。 すべてを最高にしたいと取り組んでみるのはいいですが、すべての領域が中途半端になってしまってはいけないのです。

これらは非常に難しい決断とはなりますが、ある領域でのサービスの質を切り捨てることで本来注力すべき領域のカスタマーサービスの質をより良くすることができます。

まとめ

ある領域のカスタマーサービスの質をあえて下げることには抵抗がある人もいるでしょう。しかし、よっぽど潤沢な資源がない限り、すべての領域において最高水準のカスタマーサービスを提供していくことは非常に困難といえます。

しかし、それでも素晴らしいカスタマーサービスを提供していきたいと思うことでしょう。 もしそう思うのであれば、顧客が軽んじている領域を見つけ、その領域のサービスの質をあえて下げましょう。 そして、余力を本当に注力すべき領域に割り当てるのです。

中途半端などこにでもあるようなカスタマーサービスを提供したくはないでしょう。 ある一部分でも顧客を大満足させられるように、あえて質の低いサービスを提供する領域を決めてみてはいかがでしょうか?