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顧客体験を無視したマーケティングが破滅に向かう理由

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今日多くの企業が顧客に目を向け、顧客への体験を提供価値の中心に据えようとしています。 SNSや口コミサイト、メディアから企業サイトまで、インターネットでほとんどの情報を収集するユーザーがいるのは、誰もが想像できるでことでしょう。

斬新なアイデアや技術、もしくは資源で短期的に大きな利益を上げ、圧倒的なシェアを誇る企業も、後発の似たようなサービスを提供する企業に、多くのシェアを奪われることがあります。(Googleは最初の検索エンジンではなく、facebookは最初のSNSではなかったように。)

これは何故でしょうか? ネットスケープやタイム・ワーナーを買収し一時は世界最大の企業となった、アメリカのインターネット接続サービス”AOL”の栄光と滑落から学ぶことができるかもしれません。

AOLの栄光と転落

1990年代前半、パソコンユーザーの増加に伴い、インターネット関連の事業を手がける会社の成長は著しいものでした。AOLもその一角であり、資金力を活かし、新規顧客獲得のために様々なキャンペーンを展開しました。 例えば、雑誌の綴じ込み付録から食料品店のレジまで、同社のソフトが入っているフロッピーをばら撒き、そのほとんどがゴミ箱に捨てられたものの、わずか2年間で10倍以上の会員数になり、数値という意味では、成功と判断できる結果を収めました。

しかしながら、当時の経営陣は予算をサポートの向上に当てることに無関心でした。そのため、新規ユーザーが同社のサポートに電話しても、ほとんどつながらない状況となり、「つながらないAOL」とユーザーに呼ばれるようになりました。

その後もAOLはサポートやサービスの安定性を向上させるのではなく、新規顧客獲得のために派手なバナーやポップアップ広告を出し続けました。会員数は増えましたが、会員の不満もさらに募らせていったのです。

2000年、AOLはタイム・ワーナーと合併し、当時の評価額は1900億ドルという驚異的なものでした。 しかし、2、3年後にはブロードバンドが急速に広がり、ブロードバンド事業者、さらにはダイヤルアップの強豪であるMSNなどにも顧客を大きく奪われ、事業の転換を迫られざる負えませんでした。 そこでも顧客が解約しようとすると、まず電話番号が巧妙に隠されていて、ようやく見つけてオペレーターに電話しても逆に契約延長の売り込みをかけられるという最悪のユーザー体験で、多くのユーザーを激怒させました。

2009年にはタイム・ワーナーは見切りをつけ、1800億ドル以上の評価額を落とし、わずか32億ドルという評価額で独立しました。 わずか9年ですが、何故AOLは急激に顧客を奪われ、価値を落としててしまったのでしょうか?

時代が変化するにつれ、似たような業者が参入し、そこでシェアが取られていくというのはどこの業界でもあることでしょう。

しかしながら、元々のサービスが素晴らしいもので、ユーザーが満足しているのであれば、熱狂的なファンは、簡単には乗り換えずその製品をしばらくは使い続けてくれるものです。その間に、他のサービスに負けないように製品を磨いていけば良いのです。

当時のAOLは売り上げを上げることに苦心するあまり、製品の改善やサポートに注力することをしませんでした。ユーザーに対する悪い顧客体験は、ユーザーやメディアによって広まり、素晴らしいサービスとしての認識はほとんどされていませんでした。実際に使い続けている客の多くが、より良いサービスがあればそちらに乗り換える可能性のある状況となっており、多くのユーザーが他社にとっての潜在的顧客層になってしまっていたのです。売り上げは上がっていても、その状況は非常に危険な状況であるのにも関わらず、AOLの経営層は顧客との関係値を会員数のように重要視することができませんでした。

経営者に求められるもの

売上や新規顧客の獲得数を増加させることが多くの経営者のミッションになっていることが多いでしょう。これはCEOに対しての評価を期間と売上のみで測る習慣がアメリカを中心として根付いていることにより、顧客の満足度といった抽象的でバイアスのかかりやすい評価がどうしても重要視できないことにあるかと思います。 しかしながら、顧客との関係が現在どの程度なのかを測るというのは、現代において企業の継続にとっては実は死活問題であると言えます。10年前、20年前に比べて、情報の伝達速度が圧倒的に早くなり、悪い評判は簡単に拡散してしまう時代です。

“売上”の他に、“顧客との関係値”をセットで経営層が取り組むべきミッションとして捉えることができれば、顧客の継続利用率はあがることでしょう。また、熱狂的なユーザーが他のユーザーを呼び込むことで、売上の増加だけでなく、長期的な経営を可能にするといえます。